DTA・インピーダンス測定装置 Lyotherm3

Lyotherm3はBiopharma社と、凍結乾燥の専門教授であるLouis Reyとで開発された、1台で示差熱測定(DTA)と電気インピーダンス測定の同時分析を行うことができる装置です。

凍結乾燥に必要なガラス転移温度(Tg')、共晶温度(Teu)及び融解温度(Tm)などのパラメータを入手することができます。

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Lyotherm3の特徴

凍結製品の軟化または共晶融点の側定のために使用されている従来の"電気抵抗測定”に基づいた電気インピーダンス測定は従来の分析技術では識別できない重要な凍結層の挙動に関する情報を得ることができます。

Lyotherm3はDTAとインピーダンス測定を同時測定することで、製品の損傷を防ぎながら最高許容温度(臨界温度)の特定し、アニーリング温度(熱処理温度)及びその必要性を理解できます。一般的な熱分析法では遷移を示さない非常に希薄な溶液でも、Lyotherm3であれば分析することができます。相転移は非常に微妙である可能性があるため、タンパク質製剤に最適です。

 

【例】凍結乾燥のために調製された医薬溶液からのZsinφ(ピンク)およびDTA(赤)

Lyotherm3の特徴グラフ

グラフに示されるように、 Zsinφ(Z1) に示される安定は DTA(D1) の発熱事象に関連しています。溶質の溶解開始は-53.0°C(Z2) で見られますが、これは-30.4°C(Z3) で最大移動度に達します。その間、-0.46°C(D3) で溶解が完了すると、バルクのゆっくりとした溶解が始まります。
このサンプルを-53.0°Cを下回る温度で凍結乾燥させることは可能ですが、それは非常に時間とコストが掛かかることを意味します。Lyotherm3を使用して、溶液の改質を勧める証拠を提供します。

測定データ

Excelに転送された測定結果はグラフ化され曲線の解析によりガラス転移温度(Tg')、共晶温度(Teu)及び融解温度(Tm)を求めることができます。

 

HeatingOFF画像 HeatingON画像

 

仕様
  • ●サンプル量:2ml~4ml
  • ●測定温度範囲:-196°C~+60°C
  • ●0°Cで±0.3°Cの精度を有するPt100温度プローブ2個
  • ●1,000Hzで1Ω~14MΩの範囲で動作するインピーダンスプローブ
  • ●二重絶縁液体窒素デュワー
  • ●再使用可能なステンレス鋼サンプルホルダー
  • ●220/240V 50Hz または 120V 60Hz の可変電源
  • ●小型ベンチトップ設置面積(約500mm×400mm)
  • ●Excelに直接エクスポート
  • ●ソフトウェアでデータの収集、分析、保存、再読み込みが可能