自己完結型膜透過分析装置 MPA Horizon

薄膜・メンブレンの多成分透過を精密測定するクロスフロー型分析装置

 

MPA Horizon は、膜・バリアフィルムを通過するガス・蒸気・湿度・VOC の透過を高度に測定できる自己完結型のクロスフロー膜透過分析装置です。

実際の環境に近い温度・湿度・混合ガス条件を再現し、単成分だけでは捉えられない膜材料の現実的な性能評価を可能にします。

mpa1
特徴

1. ガス・蒸気・湿度濃度の個別制御

 - ガス、蒸気、湿度の濃度を独立制御

 - 温度・濃度を正確なステップで調整

 - 多成分条件の評価(CO₂+湿度など)が容易

 

2. 10〜150℃の局所加熱

 - 実使用条件の再現

 - 透過・拡散に対する活性化エネルギー算出

 - ガラス転移点付近の挙動評価

 

3. 入出口センサーによる精密測定

 - フィード側・透過側の濃度を高感度測定

 - 多成分透過、拡散挙動、透過速度論の解析

 

4. 多用途センサー内蔵

 - CO₂(NDIR)、VOC(PID)

 - 湿度(静電容量式)、O₂(オプション)

 - TCD(その他ガス用)

 

5. 高湿度生成(〜95%RH / 60℃)

 - 結露しない安定した湿度制御

 

6. 6つのMFCで複雑な混合ガス生成

 - それぞれ最大200 sccm

 - N₂ / He / O₂ / CO₂ / Ar で校正切替

 

7. クロスフローシステム

 - 入口濃度正確測定用バイパス

 - フィード・透過流路切替

アプリケーション例

・燃料電池膜の評価

・食品・飲料包装フィルム

・電気絶縁材のバリア性能

・CO₂回収用膜(CCUS)

・医薬品・化粧品包装


 
ケーススタディ

・炭素回収用膜:湿度によりCO₂透過率が20〜40%低下
mpa2

PIM-1とcPIM-1のCO2透過に及ぼす湿度の影響

 

・バリア膜(PET/Kapton):温度上昇でPETのWVTR増加 

mpa3

PETとカプトンの温度による水蒸気透過率(WVTR)の変化。

mpa4

130℃におけるカプトンとPETフィルムの湿度透過率

 

・VOC透過:湿度上昇でトルエン透過が減少

mpa5

専用ソフトウェア

 - MFC・センサー・ヒーター完全制御

 - メソッド/シーケンスビルダー

 - データは暗号化保存

 - WVTR/透過率/拡散ラグタイムを自動計算


 
仕様(抜粋)
温度
  • - インキュベーター:5–60℃
  • - ローカルヒーター:10–150℃
MFC流量 - 0–200 sccm、ターンダウン比1000:1
サンプル - 0–200 sccm、ターンダウン比1000:1
温度
  • - 5–60℃で0–98%RH
  • - 精度:±0.8%RH(5–40℃)
センサー
  • - CO₂:0–25%
  • - VOC:1 ppb–10,000 ppm
  • - O₂:0–100%
  • - TCD:0–100%
  • - WVTR:0.05–500 g/m²/day
装置サイズ
  • - 520(W) × 980(H) × 610(D) mm
  • - 約80 kg